こんにちは、野々蘭(@nonolog0901)です。
コロナ禍で一時は開催が難しくなっていた同人誌即売会などのイベント(以下:イベント)も、最近は色々な形で再開していますね。
今回は、私が過去に出展してきたイベントの思い出と、イベントに合わせて制作してきた同人誌3冊について振り返ってみようと思います。
「いつかサークル参加してみたいなぁ…」という未経験の方や、「そうそう、イベントって楽しいんだよね!」と思い出してテンションを上げたい方(笑)は是非お付き合いください。
- コミティアや(一次創作系)イベントに興味がある
- サークル参加してみたいけどなかなか勇気が出ない
- サークル参加経験者の反省や「やってよかったこと」が知りたい
- イベントの雰囲気を思い出してモチベを上げたい
なお、リアルイベントに出ていたのがコロナ禍前であり、当時と状況が変わっている可能性があります。
また、イベントジャンルや会場によっても、雰囲気やお客さんの反応がかなり異なると思います(同じイベントでも、サークル配置のジャンル選びで結構変わったりする)。
そのあたりをご了承のうえ、ゆるい気持ちでお楽しみください。
名古屋コミティア(略して名ティア)ばかり出てるけど、別に地元民じゃないんだよね。
そろそろ「カエルまんじゅう」が恋しい…。
※ちなみに書いていたら思いのほか長くなってしまったので、前編と後編に分けることにしました。今回の記事は「前編」です。
【1回目】2016.10.30 名古屋コミティア49
人生初のイベント出展。
あれからもう6年近く経ったのかと思うとゾッとしますね…(-ω-)
それまでは、正直自分がサークル参加する側になるなんてとんでもない!と思っていました。
「きっと需要がない」とか、「神絵師でもないのに」とか、「フォロワーが多い人じゃないとダメだ」とか、アレコレ理由を付けて挑戦を拒んでいました。
ただ、ありがたいことに周りに経験者の方や背中を押してくれる作家さんがいたため、「とにかく人生経験じゃい!!!」と参加してみることにしたのです。
これが創作沼へと沈む、一つのきっかけとなりました。
初のイベント出展、何つくる?
さて、あれだけ「私なんて無理~(><)」なんて言ってたヤツですが、いざ準備を始めたら楽しくてしょうがない。
とはいえ、当時は「いきなり本をつくるのはさすがにハードルが高い」と感じていたため、ポストカードやステッカーなど、いわゆる紙モノグッズを作ることにしました。
また、1回目でそんなに買ってもらえるとは思えなかったため、自分の中で「まずは知ってもらう・興味を持ってもらう」という目標を立てました。
無料配布のペーパーや、名刺だけでも貰って帰ってくれれば嬉しいなと。
そんな感じで出来たお品書きがこちらです。
名刺も気合入れて裏表両面印刷でつくりました(笑)
印刷はグラフィック様で、私好みのパキッとした色をとても綺麗に印刷してくださいました。
何が楽しいって、自分だけのお店やブランドを作っている感覚がとても楽しい。
自分でアイディアを出し、それを絵に描いて、業者や紙などを選んで印刷し、パッケージを考え、最終的に自分で宣伝して自分が店(ブース)に立つ。
普通に生きてたらこんな経験できなくない!?と(笑)
中には「全部自分でやらなきゃいけないなんて面倒」とか、「これだけは苦手だから人にお願いしたい」とか、色んなタイプの人がいると思います。
でも、私はこれがすごく楽しかった。
創作沼にハマった大きな要因は、この「なんでも自分で好きなようにやれる楽しさ」にあったのではないかと思っています。
反省点は「ブース設営」と「若気の至り」
人間なにかを始めるときは、自信のなさとは裏腹に、「もしかしたらめっちゃ才能開花させちゃうのでは!?」などという期待もほんのり抱いてしまうものである。
つまり、心のどこかでは目標どおり無配のペーパーを配りきったりだとか、綺麗なお姉さんたちが列を成したりだとか、あれこれ妄想が広がっていたわけです。
けど結果から言うと、「人に興味を持ってもらうって、思った以上に難しいことなんだ」と痛感した初出展となりました。
お世話になってる方が遊びに来てくださったのも嬉しかったし、通りすがりの方が「可愛いですね」とポストカードを買ってくださったり、トータルすると感謝しかないすばらしい体験でした。
ただ、「なんでも自分で好きなようにやれる」からこそ、もっと自分で工夫して改善していく必要があるなとも感じました。
以降、反省は次回に活かさねばと、システム手帳に記録を残していくようにしました。
反省① 無料配布のものを取りづらい場所に置かない
めちゃくちゃ当たり前のことやんけ、と思うかもしれませんが、お客さん側の視点になってみないと案外気付けないこともあります。
最初のブースの画像を見ていただければ分かると思いますが、無配ペーパーと名刺を左奥に置いていました。
「無料のものだけでも手に取ってもらう」という目標があったにもかかわらず、なんと不覚なことか…!
自分がサークル側だと「この距離くらい」と思ってしまいがちですが、売り子に近いものに手を伸ばすって、シャイで且つ購入の意思が定まってない人からすれば、意外と高いハードルかもしれないなと思いました。
あと、中身に張りきって4コマを描いていたのですが、そこを開いて置くようにしたら手に取ってくれる人が少し増えた、とのメモが残っています(笑)
反省② 参加型企画はなかなかの冒険だと心得よ
お品書きにもあるとおり、当時は「Truie(トリュイ)」というサークル名で活動しておりました。
また、イベント当日はちょうどハロウィンの前日です。
そこで当時の看板娘である゛トリュイちゃん“のステッカーを作り、「Trick or Truie(トリック・オア・トリュイ)」の合言葉を言ってくださったお客さんに押し付ける配るという、いわゆる参加型企画みたいなものを考えました。
……今でも思い出します、企画説明をしたときの初対面の方の困惑した表情を。
すでにフォロワーさんが沢山いて、事前情報を見て積極的に参加してもらえるような状況になってからやるべき企画だったと後から思いました。
そもそも自分だって決してコミュ力高いわけでもないのに、初対面の人に謎めいた呪文を唱えろと迫るなんて、今考えると無謀にも程があるよ。
若気の至りということで、その節は本当にすみませんでした…。
ちなみに「truie」はフランス語で「雌豚」という意味です!
……は?
反省③ コミティアならではの誤算
これは反省というより気付き。
私の勝手なイメージで、「初出展で私を知らない人がほとんどだから、自創作キャラクターや設定を知らなければ楽しめなさそうな作品・グッズはやめよう」と考えていました。
しかし、本来は「同人誌即売会」というだけあって、むしろ漫画やオリジナルキャラクターに興味を持ってくれる人が結構多いのでは?と感じる場面が多々ありました。
というか、やはり「本」のインパクトは強い。
次回参加するなら、いよいよ同人誌を作ってみよう!と心に誓いました。
【2回目】2017.10.8 名古屋コミティア51
初出店からちょうど1年後の名ティアで、念願の同人誌を頒布しました。
正直、想像していた以上に多くの方が手にとってくださり、前回の反省や気付きがとても活きたのではないかと自負しています。
漫画同人誌ならではのアピール方法なども色々調べて、ネット上の諸先輩方にはとても勉強になりましたm(_ _)m
初の漫画同人誌『学園ツェーレ』
初の同人誌は、『学園ツェーレ』という4コマギャグ漫画でした。
残念ながらPCの死亡によりデータが手元に残っていませんが、pixivよりサンプルをお読みいただくことができます。
私にしては珍しい(?)異世界っぽい舞台ですが、内容は全然ふわふわしていません。
『悪趣味ファンタジー()学園4コマ』とかいう滅茶苦茶なジャンルを謳っています。
『学園ツェーレ』
- 本文28P
- A5サイズ
- オンデマンド印刷
- 印刷会社
おたクラブ様
一族の恥やら色々やらかした者が、更生しないと解けない「呪い」をかけられぶち込まれる学園“ツェーレ”。
そこに通うことになってしまった人間の少年と、難ありだけど憎めない(?)特殊な生徒たちが、卒業を目指したり目指さなかったりする4コマギャグ本。
幼いころから「自由帳」に漫画を描いていた自分からしたら、こんなふうに「本」という形になる日がくるなんて、思ってもみませんでした。
初めて手にしたとき、すごくドキドキしたことを覚えています。
あと、自分のヤル気とある程度のお金さえあれば、プロじゃなくてもグッズや本って作れるもんなんだなということに味をしめました(笑)
「大人ってすげーじゃん!大人になってよかった!」と初めて思った気がします。
3つの「やってよかった」こと
前回の反省なども活かしつつ、やってみて効果があったかな?と思うのは以下の3つです。
- 無配の置き方を気を付けた
- サンプルをたっぷり載せた
- ブース上にサンプルページを貼ったボードを立てた
無配の置き方に気を付けた
言わずもがな(笑)
あと、お買い物で離席するときも、「ペーパーと名刺はご自由にお持ちください」というメモを添えておきました。一応……。
サンプルをたっぷり載せた
先程も載せたpixivのサンプルですが、4コマで5ページ程見られるようになっています。
主要キャラが全員登場するようにしているのと、ある程度読んでもらった方が、「好きかどうか」の判断がしやすいかなと思ったので。
結果、「サンプルを読んで買いにきました」と言ってくださる方が本当にいたんです!(都市伝説みたいに言うな)
直接言ってくださる方もいれば、「良かったら見本誌立ち読みしていってくださいね」とお声をかけたところ、「サンプル見て来たので大丈夫です!」と迷わず買ってくださる方もいました。
よほどネタバレ厳禁な本やページ数が極端に少ない本でもないかぎりは、サンプルを読んで安心してもらったうえで買っていただく、というのが大事なのかもしれません。
ブース上にサンプルページを貼ったボードを立てた
こちらもサンプルの話ですが、当然ながら事前にサンプルを読んでくださる方ばかりではありません。
ブースに見本を置いて「立ち読みOK!」と書いたりもするのですが、私のようにシャイな人は、それも結構ドキドキするものです(お客さんに珍妙な合言葉を言わせてたヤツがどの面下げて…って感じですが)。
そこで、通路から見ただけでなんとなく本の中身が分かるように、数ページ印刷してボードに貼ってみました。
文字は小さいのでさすがに近づく必要はありますが、少なくとも見本誌を描いた本人の前で開くより、心理的ハードルは下がるはずです(笑)
実際に、「前を通って気になってたので!」と戻って来てくださる方もいました。
私の飾り方のセンスはちょっとアレですが、本のジャンルによっては参考になれば嬉しいです。
『嬉しい』『楽しい』が増えた2回目
イラストグッズ単体と比べて、ページ数がある同人誌はどうしても時間がかかります。
入稿とかもよく分からないし(未だに失敗してるし)、作業中は孤独だったし、頑張って作った分とても達成感がありました。
そして、ありがたいことにそれを楽しんでくれたり、後日DMで感想をくださったり、フォロー外の方がご友人に「この本●●絶対好きだと思うよ~!」と紹介しているところを見てしまったり(ストーカーみたいですみません…RTされるとつい見にいってしまうあるあるw)。
自分に起こると思っていなかったことを、たくさん経験できた2回目でした。
実はこれ以降、漫画の同人誌は作れていません(エッセイ漫画みたいなものは描きましたが)。
けど、やっぱり漫画というジャンル特有の面白さと熱気みたいなものは、いつかもう一度経験してみたいなと思っています。
野々蘭先生の今後の活躍にご期待ください!
打ち切られてんじゃねえか
後編へつづく
本来なら4回(と3冊)の振り返りをざっと書くはずが、思ったより長々と語ってしまいました……。
しかも同人誌1冊しか紹介できていないという(-_-)
というわけで、3回目以降の話は次の記事になります。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!